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大人になるって、ずっと遠いものだと思った。
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2011年08月25日 (木) | 編集 |
「学生証落としましたよ?」

「ああ、えっと、すいません――
わざわざありがとうございます」

第一印象は、そう不健康な男だなと思った。髪はあつぼったくのばされ、巻き髪の寝癖が何箇所かたっていた。随分と真新しいスーツを着て若く見えた。

「あそこの学生さんなんですね―僕、今季からここにお世話になることがきまった山本です。たぶん来週には学校の方で紹介があるので、よろしくお願いしますね」

見知らぬ他人によく話す奴だなと不機嫌になりながらも、
「よろしくお願いします」とだけ答えた。

         注

――彼はこの出会いを忘れています。しかし、現実として彼は現実に残されています。そして、貴方もご存じの通り彼はではありません。

よって、我々は繰り返される虚言を彼に与え続ければならないのです。
それが、私達の役割であり、彼の義務。

それは貴方も研修でご存じのはずです。

けれども、貴方の中には研修など受けてなどない?と思っている方は、思い出してください。
貴方も繰り返される彼の虚実を知っているのです。繰り返される退屈な日常、変わらない人々の関係、葛藤、闘争、そして望んだままの妄想への逃避……。

彼は、永遠の悪夢を見続けているのです。

私は彼らの望むままにしてさしあげました。本物の彼は保存されています。彼の現実は、今、時にしかありません。そして、この世界は彼らの望んだままの姿形をするでしょう。ですが、完全ではありません。
例えば、彼が日常を壊したいと自覚したならば、この幻想は壊れます。

しかし、それはありえません。もう一つの可能性、貴方は見つけることは出来ますか……。
申し遅れました。私はここの管理者の梟と申します。また終末に御会いしましょう――。

「では、失礼」

僕は駅の近くに住んでいる散歩が趣味の学生だ。
趣味が趣味なので、よくよく友達におっさんっぽいなと馬鹿にされが、それはぼくが少し大人びているというだけで何も変ではない。

だから僕は、からかわれるのは変じゃないかなと思っている。
どちらかといえば、友達の方が変だと思ったし、僕の様な人を変わっているというなら、世の中の変態はなんと云うべきかと悩む。

だって、同じ枠に入れられるのはさすがに嫌ではないか――。
つまりなにか、ぼくは小説の主人公のように凄い能力を持っている。だから変というわけか……。
いやいや、僕にはそんな馬鹿げた様な力はないし、強い奴らをバンバン倒していくわけでも、元々強いわけでもない。所謂、変人でも、天才でもない。

寧ろ、友達のように考えさせてしまうこの世界が変じゃないか……。
ぶつくさと愚痴を零しながら散歩を楽しんでいる。これだって年相応。同年代が行っているウィンドウショッピンングと変わらないだろう。

そういって、今日も例の如く僕はいろいろとセカイに物申す。












例えば、僕は数学の宿題に手をつけるべきかを思慮し、どうやって宿題を片付けるべきかを考える。そうやってセカイに嘆くわけだ。するとどうだ。見事に無駄に頭を巡らしていることに気付くじゃないか―。
写す、これ以外に何があるのかと断言しよう。

つまり、僕にとって散歩とは暇な一日を有意義にしてしまう儀式なのだ。
要するに、学力なぞ大事な脳の海馬やらに存在をゆるしてはいけない――と思いのさ……。  
だからそっとしておいてくれ……。

こうやって学力が下降線をたどるというのもわかっている。
 
だいたいいつもこんな調子だ。

考えをまとめては自分を自虐し、それを戒めとしながら散歩をする。
その時の僕は自分が今どこにいこうかなんて意識していない。

ぶらりと気の向くままに右に行っては水がみたいと云うから川に生き、右に行ったかと思えば、木が見たくなったと公園へと、割と自由気ままにそこらを放浪している。
時間は特に気にしてはいないが、云うまでもなく暇なときに散歩に出る。
今日もいつものように暇だからと家を出た。木が見たくなったのだろうな……。
頭の中に公園が浮かんだ。

「よしっ」と息を一息その場に残してゆっくりと僕は公園に向かった。
公園までの間は、景色を楽しむというよりは、思想や理論について自然に調和しているかを思慮する方が楽しかった。この思想はこうだったらいいとか、この理論は安定しているなとかをぶつぶつ云っている。まともな人が近くにいたらきっと変だというだろう。

いや、僕は変じゃない。変じゃないからな。今のは言葉のあやだ。

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